申命記6:4-5はヘブライ語の「聞け」という最初のことばからとった「シェマー」として知られていることばです。現代の正統派ユダヤ人は、朝夕の祈りの中で、シェマ―を唱えることを最も聖なる義務の一つだと考えます。
聞け、イスラエルよ。我らの神、主は唯一の主である。あなたは心を尽くし、魂を尽くし、力を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい。(申命記6:4-5)
全身全霊で主なる神様を愛するということです。ところで、心と魂と力とは、それぞれどのような意味があるのでしょうか。特に心と魂の違いというのがわかりにくいところです。そこで、それぞれの詳しい意味について原語と聖書での用法などから確認してみます。
なお、イエス様はシェマーを引用して最も重要な掟だと言われましたが、マルコによる福音書では、「思いを尽くし」が補われています。
心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。(マルコ12:30)
心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして神を愛するとはどういう意味か?
心
英語:heart
ヘブライ語:lebab
ギリシャ語:kardia
人間の心理的、道徳的活動全体。感情、理性、意思を含む。
精神、魂
英語:soul
ヘブライ語:nephesh
ギリシャ語:psuché
魂、命、精神的なもの、生き物、願い、情熱。創世記2:7の人に吹き込まれた命の息。霊(ギリシャ語のpneuma、ヘブライ語のruach)とは異なる。また、永遠の命の命(ギリシャ語のzóé、霊的、肉体的命の双方を含む存在全体を表す)とも異なる。psuchéは肉体と区別した内面的な命のみを表す。
・nephesh
https://www.blueletterbible.org/lexicon/h5315/kjv/wlc/0-1/
・psuché
https://www.blueletterbible.org/lexicon/g5590/kjv/tr/0-1/
思い
英語:mind
ギリシャ語:dianoia
思考。想像したり考えたりするもととなる理解する能力。
力
英語:strength
ヘブライ語:meod
ギリシャ語:ischus
力、能力、リソース。
まとめ
自分の全存在のあらゆる力をもって神様を愛することが命じられているのがわかりますね。
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