サウルの最期[サムエル上31章]

サムエル記
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ヤベシュの人々は、自分の王から受けた恩を忘れませんでした。

サウルの最期[サムエル上31章]

サウルの最期[サムエル上31章]

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【ノート】
サウルの最期だ。サウルは霊媒師を通して死の宣告を受けた。子供たちとともども死ぬと。それでもサウルは戦場に向かった。死の宣告にあらがうことができるという望みを持っていたわけではない。ただ、イスラエルのために戦う王としての立場上、逃げることができなかったのだ。それは、オカルトの呪いによるところもあるだろう。しかし、サウルは自らの足で戦場に赴いたことは確かだ。サウルは主によって退けられた人物であったが、イスラエルの人々のために、王としての責務を果たそうという心を持っていた。それで、恐れおののきつつ、負けて死んでしまうとわかっていながら、戦いに赴いたのだ。

1-2節。兵士たちは逃げ出したが、サウルと息子たちは踏みとどまって奮戦しようとした。しかし、多勢に無勢だ。このときにヨナタンら3人の息子たちがペリシテ軍に討たれてしまった。ヨナタンは、主への信仰の冒険をして大勝利を得た人であって、ダビデとは深い友情で結ばれた人だ。こんなに早く死んでしまうのは残念でならない。ヨナタンがこんなところで討たれてしまったのは、サウルの巻き添えだ。ダビデについていけば、ヨナタンはダビデの支えとなり、もっと長く活躍できたかもしれない。しかし、ヨナタンは父サウルから離れることができなかった。それで、サウルの反逆とオカルトの罪が、ヨナタンにまで害を及ぼしてしまった。親子のつながり深い。親の罪が、子供にまで悪影響を与えることは良くある。遊び人の親を持った子供は、「将来こんな人間にだけはなるまい」と誓う。しかし、大人になってみると、まるで呪いがかけられているかのように、親と同じような人になってしまうことが良くあるのだ。親の酒癖、親の姦淫の罪、親の怠惰の罪、親の霊的な罪が子供にも伝染し、子供までも苦しめる。また、罪性でなくても、家族の大部分がみんな癌でなくなる。虚弱体質だ。自殺をするということがある。それは、悪霊が家族に中に入り込み、代々苦しめ続けようとするからだ。健在であるにせよ、もう亡くなられているにせよ、誰もが親から生まれてくる。もし、親から受け継がれている呪いを感じるならば、イエス・キリストの血潮によって断ち切ろう。そうすれば、ヨナタンのように巻き添えになることはない。また、子供がいる人は、子供に悪い性質や不幸を受け継がせないように、自分の持つ罪性を血潮によってすべて清めていただこう。私たち自身の力では悪しき習慣から抜け出すことはできない。サウルがそうだったのようにもがけばもがくほどずぶずぶ泥沼にはまっていくしかない。自分が無力であることを認めて、イエス・キリストの血潮の恵みに頼るのだ。そうすれば、サウルのように子供を苦しめることはなくなる。

3-6節。息子たちは確かにペリシテ人に討たれて死んだ。それに対してサウルの死は自殺だった。一時は王としての油注ぎと聖霊様を受け、神と共に歩んだサウルだった。しかし、神に反逆してからは、悪霊に悩まされた挙句、オカルトの罪を犯して、最期は自殺だ。これは、イスカリオテのユダの歩みと似ている。イスカリオテのユダは、イエス様の十二弟子の一人に選ばれ、宣教にも用いられた。しかし、サタンに心を奪われ、イエス様を裏切り、後悔の果てに自殺した。どちらも悪霊に支配されたゆえの結末だ。
サタンは自殺を美化しようとする。自殺をすれば、苦しみから解放される、きれいな死に方ができる、尊厳を保った死に方ができると。サウルは「無割礼の者どもに襲われて刺し殺され、なぶりものにされたくない」と言って、きれいな死に方、尊厳を保った死に方を願っている。しかし、実際には決して美しい死に方なんていうものはない。死は、どんな形であれ、醜いものだ。サタンは死んだ後まで私たちを苦しめ続けたいがために自殺を唆すのだ。自殺願望は神から来ず、必ずといってよいほど、悪霊から来る。悪霊は盗人であり、「盗んだり、屠ったり、滅ぼしたりする」のだ。美しい死があるとするなら、神からの召命を全うした人の死だ。その人の死は死で終わることがない。終わりの時にはイエス・キリストが復活されたように復活することができる。死は、イエス様にあって勝利すべき対象だ。

7-10節。ペリシテ人が勝利し、イスラエルの町を占領し、町と偶像に戦勝が伝えられ、サウルと三人の息子たちをさらし者にした。ペリシテ人は、「これでまたイスラエルを支配できる。奴隷状態にできる」と思っただろう。しかし、ペリシテ人は知らなかった。彼らはこのとき勝利を喜んでいたが、実はサウルを倒すことによって、より優れたイスラエルの王となるダビデの台頭のお膳立てをしてしまっていたのだ。ペリシテ人はダビデに完膚なきまでたたきのめされることになり、サムソンの時代から続いていたイスラエルとペリシテの戦いに決着がつくことになる。ペリシテ人が勝利を喜び、神の民を嘲ったとき、彼らは自らの敗北の道筋をつくってしまっていたのだ。
敵が勝ち誇るとき、実は神の救いの計画は進行中なのだ。それは、イエス・キリストにも見られることだ。イエス・キリストが十字架にかけられたとき、サタンは勝利を確信した。イエス様を十字架にかけた人々は、指導者が十字架にかけられたのだから、これで弟子たちもだまるだろうと思った。ところが、イエス様の十字架はまさに悪魔の業を滅ぼし、人々を罪の奴隷状態から解放し、完全に救うための御業だったのだ。イエス・キリストが三日目に復活されたとき、死は打ち破られた。悪魔のことを、死をつかさどる者とヘブライ人への手紙に書いてある。その死をイエス・キリストが打ち破ったことによって、悪魔の敗北は確定したのだ。
敵が勝ち誇っていても、私たちは気落ちしてはならない。復活の勝利を信じよう。信仰を奮い立たせて、神による逆転が起こることを目撃する者となろう。アーメン。

サウルは、最初に神に反逆して以来、ずっと反面教師としての姿を私たち聖書を読む者に示した。もちろん、私たちはサウルのようにならないように、気をつけなければならない。しかし、サウルが神に背いて、裁かれて、死ぬ姿について、私たちはどのように見るべきか。ただ、サウルを槍玉にあげて、その死について当然の報いを受けたと切り捨てるのは御心ではない。主なる神の指導者が死んだのだから、主にある者は同情する心を持たなければならない。サムエル下1章で、ダビデは友達のヨナタンの死についてだけでなく、サウルの死にも涙を流して断食した。それは御心に適ったことだった。主なる神御自身、サウルを裁くとき、サウルについて悲しみ、涙を流しておられたに違いない。主は憐れみ深いお方だ。そして、ダビデ以外にサウルの死を悲しんだ人々がいた。ギレアドのヤベシュの人々だ。

11-13節。ヤベシュは、サウルが王になったばかりのころ、サウルに救ってもらったことのある町だ。ヤベシュの人々はその恩を忘れていなかった。恩のあるサウルがさらし者にされている。それはいけない。サウルを王にふさわしく葬りたい。そこで、戦士たちが立ちあがり、夜通し強行軍してベト・シャンの城壁まで行き、危険を犯してその遺体を城壁からとり降ろして、ヤベシュで火葬にした。そして、その死を悼んで七日間も断食した。自分を救ってくれた王に対して哀悼の意と敬意を示すためのすばらしい行動だ。これは、イエス様が十字架でさらし者になって死なれた後、アリマタヤのヨセフが引き取って、きれいな墓に収めたことに通じる。

二つのことが言える。第一に、私たちはヤベシュの人々に倣って、神の民の指導者に対して、その人にいろいろと悪い点が見られたとしても、敬意を払う者となろう。サウルの人生を見るなら、主なる神に仕える王として歩むことがいかに難しいことかがわかる。サウルは王でさえなければ、標準以上の信仰者として生きることができただろう。教会の指導者の中にも、サウルのようにいろいろと残念なことがある人もいる。それは非常に残念なことであるが、それでも敬意を払うことが必要だし、その重荷の大きさを理解してあげなければならない。教会の指導者でなくても、私たち自身、一人一人が主から王である祭司として立てられている。人によって召しは違えど、サウルと同じような責任を負っている者だ。私たちはサウルよりもよくやっているだろうか?私たち自身ではサウルの功績の半分にも及ばないかもしれない。ただ、イエス様の恵みによってのみその召しを全うできる。

第二に、私たちはヤベシュの人々に倣って、自分を救ってくださった王に対する感謝をいつまでも忘れてはならない。サウルがヤベシュを救ってから長い年月が経過していたが、ヤベシュの人々は忘れなかった。イエス・キリストは私たちを愛して、私たちの罪のために十字架にかかって死なれた。この事実は何があっても変わらないし、私たちの中で色あせてはならない。クリスチャンとして何年、何十年経っても、救いに対する感謝を忘れてはならない。初めのころの愛から離れてはならない。むしろ、主と共に歩む中で深めていこう。そして、サウルは死んで葬られたままだが、イエス・キリストは復活して今も生きておられる。この方に毎日、十字架の贖いの恵みに対して感謝と賛美をささげよう。

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